ニコンD300雑感 まさに「頂点の凄み」
以前のニコンD3に続き、D300の雑感を記す。
まず結論から。
「私は、いいカメラを持っている」「すっげー、やっぱいいわ、ニコン、かっけー」などと言いたくなるほどの完成度の高さと値段の手頃さは、ニコンの凄みを見せつけた。フラグシップの一方であるD3はあくまで「シンボル」だが、もう一方のD300はそれ以上に戦略的な存在。同社によると反響はかなり大きく各店舗での予約も予想以上に順調という。冬のボーナスの時期にあたることから、ライバル機種であるキヤノンEOS40Dに商業的に優る自信ものぞかせる。
性能面で最もというか唯一、注目したのが、D3と同じくやはり高感度撮影時のノイズ。
試用すると、ノイズ除去オフ状態でも、ISO1600で十分に撮影できる。従来のニコンの機種であればISO800か1000程度のレベル、と考えたら分かりやすいかも。ノイズ除去をオンにすれば、わずかに色のぼやけが気になるかもしれないが、ニコン特有のあのざらつきが一気になくなり、安心して常用できる。ノイズ除去オンであれば、大きいサイズで出力しない限り、3200も十分に使用可能だ。
撮像素子が小さい以上、さすがにD3には高感度撮影時の画質は届かない。けれども、従来のDXフォーマット機種のことを思うと、驚きと笑みを伴う心地よい成長ぶりと思う。
連写は、本体バッテリーのみで秒間6コマ、D2Hsなどで使われる大容量バッテリーを積んだバッテリーパックを取り付ければ秒間8コマになる。絶対に瞬間を押さえなければ仕事にならないプロスポーツ写真以外であれば、秒間6コマで十分すぎるくらい。逆に言えば、バッテリーパックを使うと、D2シリーズをすっかり無意味化してしまうモンスターに化けてしまうほど。ちなみに、連写機能に頼るとショットの感性が鈍くなる傾向があるし、撮影データの処理が大きな負担となるので、普段は低速連続か単発で撮ることをおすすめします。
報道用としては十分すぎるスペック。記者カメであれば18-200ミリVRレンズをつけると、あらゆる状況に対応できる。過酷な環境で撮影することが多く、メンテナンスをする暇がなかなかない記者にとっては、イメージセンサークリーニング機能はだいぶおすすめ。もっとも、18-200ミリVRレンズは最短撮影距離が50センチと、被写体に寄って撮るのが苦手。この取り方は報道写真でおなじみなので、お金をかけたくなければ至近距離用に18-55を、収入が多い人は17-55を買ったほうがいい。
写真記者用としては、主力機種でも十分に通用するレベル。必要過多ともいえる性能、そしてごつくて重いD3よりも、機動力が高く要所を押さえた性能を持ったD300のほうがずっと便利かもしれない。そもそも、きれいに撮れさえすれば報道写真はフルサイズである必要などないのだし、結局のところ、写真のよしあしは被写体とレンズが決めるのだから、規格外の完成度となったD3である必要は、ない。
ちなみに、D300のCMキャラクターはD80などと同じく木村拓哉。キヤノンEOS40Dの渡辺謙とのCM対決も、大きな見所か。ただCMキャラクターから推測すると、D300は主に20、30代、40Dは30代以上を狙っているとも解釈できる。商業面では白黒つく勝負にはならず、デジタル一眼レフ市場を大きく拡大させる業界全体の好機になるだろう。
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